TSMC(ティー・エス・エム・シー)とは?

TSMCは「Taiwan Semiconductor Manufacturing Company(タイワン・セミコンダクター・マニュファクチュアリング・カンパニー)」の略称で、台湾に本社を置く世界最大の半導体受託製造企業(ファウンドリ)です。
半導体受託製造企業とは、自社で設計した半導体ではなく他社から設計図を受け、製造のみを行う企業です。TSMCは、超高度な精密製造技術と圧倒的な生産量で、世界中のスマホ、パソコン、自動車、家電などに使われる半導体の多くを製造しています。

設立と成長

TSMCは1987年に設立され、当時は台湾初の半導体ファウンドリでした。その後、先進的な製造技術への投資と顧客との緊密な関係構築を進め、急速に成長しました。2022年現在、世界シェア約53%を占め、2024年には主要な半導体の9割以上を製造・独占していると言われている、まさに半導体業界の巨人と言える存在です。

TSMCの強み

TSMCは、常に最新鋭の製造技術を開発・導入しており、他社を圧倒する生産能力と品質を誇ります。台湾だけでなく、アメリカ、中国などに工場を持ち、世界中のお客様に安定的に供給することができます。
30年以上のファウンドリ事業で培ってきた経験と実績は、世界中の顧客から高い信頼を得ていると言えるでしょう。

TSMCの影響力

TSMCの存在は、世界経済に大きな影響を与えています。スマホやパソコンなどの電子機器の製造だけでなく、自動車、家電、医療機器など様々な分野でTSMC製の半導体が使用されています。
近年、半導体不足が世界的な問題となっていますが、TSMCはその供給の多くを担っており、その影響力はますます大きくなっています。

TSMCの課題

圧倒的な存在感を誇るTSMCですが、課題も存在します。TSMCは台湾に本社を置いていますが、中国市場への依存度が高く、地政学的リスクが指摘されています。
また、先進的な技術を持つTSMCから技術流出する懸念があり、米中間の貿易摩擦の中で争奪戦が繰り広げられています。
半導体製造は大量の電気とキレイな水を使用するため、環境への影響が懸念されているのも事実です。

しかし、これらの課題を克服しながらTSMCは今後も世界経済を支える重要な存在であり続けるでしょう。次世代半導体の開発や、環境負荷の低減など、様々な取り組みが注目され、今後も半導体業界を牽引していく存在となるでしょう。