SFMTA(サンフランシスコ市交通局)

SFMTA(San Francisco Municipal Transportation Agency/サンフランシスコ市交通局)とは、1999年に設立されたカリフォルニア州サンフランシスコ市郡を管轄する、公共交通機関、自転車、交通、歩行者、タクシーの管理を担当する機関です。

【市営鉄道】
路面電車、ケーブルカー、バス、トロリーバスを含む、サンフランシスコ市内を走る広範な公共交通機関ネットワークを運営しています。

【交通局】
街路、標識、信号、その他の交通インフラの設計、建設、維持管理を担当しています。また、駐車許可証の発行、交通法の執行、交通渋滞の緩和などを行っています。

【タクシーライセンス】
サンフランシスコ市内のタクシー会社のライセンス発行、規制、監督を行っています。

SFMTAの主な役割と責任

公共交通機関の運営として、市営鉄道を通じて、安全で効率的、かつ手頃な価格の公共交通機関サービスを提供することが役割としては第一です。
また、交通インフラの管理として、街路、標識、信号、その他の交通インフラを安全で効率的に維持することも役目としては重要です

交通法を執行し、歩行者、自転車乗り、ドライバーの安全を守るために取り組むこと、持続可能な交通システムの開発として、環境にやさしい交通機関オプションを促進し、温室効果ガス排出量を削減することなどもあります。
サンフランシスコ市の交通ニーズを満たすために、長期的な交通計画と政策を策定することも重要な責任とされています。

SFMTAの内容

SFMTAは、サンフランシスコ市民の移動手段を改善するために、様々なプログラムとイニシアチブを実施しています。その中には以下のようなものがあります。

新しい公共交通機関路線の建設として、需要の高い地域へのアクセスを改善するために、バス路線や路面電車の路線を拡張しています。また、ゼロエミッションバスの導入を推進しディーゼルバスを電気バスに置き換えることで、大気汚染を削減しています。
自転車利用者を保護し、安全かつ快適なサイクリング環境を整備しています。
住民や観光客が市内を簡単に移動できるよう、電動スクーターのレンタルプログラムを提供しており、2030年までに交通事故による死亡者ゼロを目指す取り組みも推進しています。

フロッピーディスク依存問題

SFMTAは、サンフランシスコ市とその周辺地域の公共交通機関を運営する政府機関です。しかし、近年、SFMTAはフロッピーディスクに依存した古いシステムを使用していることで批判を受けています。

この問題は、SFMTAがバスや路面電車の運行スケジュール、運賃、乗客データなどの重要情報をフロッピーディスクに保存していることに起因します。
2024年現在、ご存知の通りフロッピーディスクは時代遅れの技術であり、容量が小さく、破損しやすいという欠点があります。そのため、SFMTAのシステムは非効率的で、データの損失やシステム障害のリスクが高くなっています。

この問題の具体的な問題として、2023年1月、SFMTAのシステムがフロッピーディスクの破損によりダウンし、バスと路面電車の運行が数時間にわたって停止したことが挙げられます。この件により、乗客は大きな混乱に巻き込まれ、SFMTAは多額の損失を被りました。

SFMTAは、この問題を解決するためにシステムのリニューアルに取り組んでいます。しかし最新システム導入には多額の費用がかかる上、完了までに数年かかる見込みです。

フロッピーディスク依存問題の課題

フロッピーディスクのデータ読み書き速度が遅いため、システム全体のパフォーマンスが低下し、更にはフロッピーディスクは物理的に破損しやすいので、重要なデータが失われる可能性があります。
フロッピーディスクは比較的容易に複製できるため、データセキュリティ上のリスクがあります。
また、現在は使用している公共機関や民間事業者も少ないため、フロッピーディスクの保守管理には意外にも多額の費用がかかります。
加えて、フロッピーディスクは時代遅れの技術であり将来的にシステムのメンテナンスが出来なくなる可能性があります。

SFMTAの取り組み

SFMTAは、フロッピーディスク依存問題を解決するために以下の取り組みを行っています。
システムのアップグレードとしてSFMTAは、クラウドベースのシステムに移行することで、システムの効率化とデータセキュリティの強化を目指しています。
重要なデータを定期的にバックアップすることで、データ損失のリスクを軽減しています。

SFMTAのシステムのアップグレードは、複雑で時間のかかる取り組みです。システムの再構築には多額の費用がかかり、完了までに数年かかる見込みで、新しいシステムへの移行に伴い、職員へのトレーニングも必要となります。

SFMTAは、フロッピーディスク依存問題を解決するために積極的に取り組んでいますが、課題も依然として残されています。今後、SFMTAがこれらの課題を克服し、効率的で安全な公共交通システムを構築できるかどうかが注目されます。